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第5話 お父さんが自殺した


 僕が19歳の時、お父さんが自殺した。妹の信子が彼氏と初お泊りデートをした夜のことだった。
 お父さんは娘を愛していた。何年か前から酒もやめていたし、AAと言う断酒の団体にも通っていたらしい。お父さん本人から聞いた話では無いので想像でしかないのだが、お父さんは妹の病気のことを“自分のせいだ”と理解していたのだと思う。

 「なんでお父さんは死んだの?」妹から聞かれて、僕は「信子ちゃんを愛していたからだよ」と答えた。妹は「私が悪いの?」と言ったが、僕は妹に“だれも悪くない。お父さんは信子ちゃんを愛していた”と反復する様に言い続けた。妹はその意味を理解した様で落ち着いた。愛されている人間が見せる安堵の表情をしていた。

 お父さんの自殺の方法は、自動車の排ガス自殺だった。車のマフラーに洗濯機の排水ホースの様な物を取り付け、社内に排ガスが回る様にした上で、大量の睡眠薬を飲んで車のエンジンを掛けたらしい。

 お父さんが死んだ時、親戚一同が話していた内容に、僕は幻滅した。僕のお母さん、そして周りの親戚も“世間体”を第一に考える輩だった。お葬式の時にお坊さんが唱えるお経に“死因”が入るらしい。“自殺は恥ずかしいから心臓病で死んだことにする”と、親戚一同で話し合っていたのを覚えている。死んだ人を送るお経を世間体で変えてしまうのだ。そんなことではお父さんは成仏できないと僕は思った。



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