サイトのタイトル「回顧録(かいころく)」


回顧録(かいころく) >  アルコール依存症との闘い > 

第2話 犯罪計画と逃亡


 NONOに出勤しなくなって、潮岸とはもう関係無いと思っていた。そんなある日、窓のサッシが閉まらなくなったのだ。閉まることは閉まるので雨風はしのげるのだが完全にしまることは無く、つまり窓に鍵を掛けたくても掛からない状況になってしまったのだ。今思えば、全ては潮岸の仕業だったのだと思う。ただ、鍵が掛からないからと言って、僕の家の中には盗まれて困る様な物は無かった。だから鍵が掛からないまま放っておいたのだ。僕が寝ていると、おでこをペシっと叩かれた。部屋の中に潮岸が居た。
 その日から、僕の家は潮岸たちの“たまり場”となった。“潮岸たち”とは“NONOの専務”と“潮岸”そして“潮岸の子分”の三人である。毎日、夜になると、僕の家の窓が外側から開けられ潮岸たちが入って来る。そして酒を交わして宴会が始まる。僕も宴会に参加していた。ただ間違って欲しくは無い、僕は巻き込まれたのだ。本当は寝ている時間である。奴らが僕の家に勝手に入って来て宴会を始めるのである。もちろん無視して僕は寝ていると言う選択肢もあっただろう。だが、無理やり酒を注がれ、飲まされるのである。本来であれば不法侵入で警察に通報しても良かったのだろう。でもその時の僕にはその考えは浮かばなかった“窓サッシが壊れていて鍵が掛からないのだから仕方ない”と諦めてしまったのだった。

 僕の家が“潮岸たちのたまり場”になって一週間後くらいである。潮岸たちは、栃木県のセルビデオ店を襲撃して店内のDVD商品を全て強奪する計画を立てていた。「当然お前も参加するんだ」潮岸が僕に言った。「えっ?」それが僕の率直な反応である。“僕は潮岸たちの仲間では無い”僕はそう思っていた。彼らが僕の家で犯罪の計画を立てている。でも僕には関係が無い。僕は本気でそう思っていた。「嫌です」僕は断った。「計画を知られたからには生かしておくわけにはいかない!」訳のわからない文句が潮岸の口から出た。その瞬間、僕は財布と携帯電話だけを持って家から飛び出した。潮岸たちが追って来た。僕は全力で走り、近くのレンタカー屋に駆け込んだ。「熱中症で死にそうです」僕は訳の分からないことを口走っていた。レンタカー屋さんが救急車を呼んでくれた。僕はその場に倒れこんだ。
 救急車はS市立病院に向かっていた。でも“すぐに仮病だとわかる”どうしよう。僕は救急車の中で考えていた。救急車がS市立病院に着いて、僕は救急治療室に運び込まれた。僕はドクターに「仮病なんです御免なさい」といきなり謝った。ドクターが「なんでそんな嘘ついたの?」と聞いてくれたので、僕は家で起きたことを洗いざらい話した。「うちもヤクザ絡みは困るんだよね。。。」ドクターはそう言うと部屋から出て行った。30分以上どうしたらよいか分からないまま、僕は救急治療室に居た。ドクターが戻って来た。「つまり、あなたは家に帰ると殺されるわけね?」僕はドクターに問われた。「はい」僕は答えた。「とりあえず入院しなさい。もう夜だから、明日考えましょう」ドクターは僕を入院させてくれた。
 次の日、病室にドクターが来た。「私の知り合いにY病院の先生がいるんだけど、頼んでみたら、あなたをY病院でかくまってくれることになった」ドクターに決定事項を告げられた。「隔離病院だから半年は出られないけどそれでいい?」僕は何のことか分からなかったが“命が助かった”と言う思いと“潮岸から逃れられる”と言う思いで、わらをもすがる思いで「お願いします」と言った。
 Y病院への転院手続きなどは看護師さんに引き継がれた。前に“僕は生活保護を受けている”と書いたが、それは“視線恐怖症”と言う病気で、通院していた病院のドクターが“就業不能”として生活保護を受ける手助けをしてくれたからである。“生活保護を受けている”件と“視線恐怖症”である件は、前の日にS市立病院のドクターに話していた。S市立病院の看護師さんが言うには、“表向きには視線恐怖症の治療と言うことで入院”と言うことだった。ただ“視線恐怖症の治療で入院なんて本当はあり得ないのだから先生に感謝しなさいよ”とも言われた。その通りだった。視線恐怖症と言う病気は入院するほどのことでは無いのだ。ドクターが計画的に僕をかくまってくれたことに感謝した。



戻る アルコール依存症との闘い



最近の話題

お酒を飲まないと、一日が長く感じる
東京の水道水を飲むには電気ケトルが便利です
AAや断酒会には行けません
予定や日記は書くな!情報だけを書け!
いっそのこと入院したい
シアナマイド命の薬
ワイアレスイヤフォンを使っている人は傷害保険に入った方が良い
シアナマイドの効果時間は36時間 成功例
シアナマイドの効果時間は36時間 失敗例
ビタミンD ガンにならない!?




© 2021 Inner Space Co., Ltd.