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シアナマイドの効果時間は36時間 失敗例


 令和3年12月4日今日は土曜日である。Sクリニックは今日は正当な理由で休んだ。今日は日本医科大学付属病院でCTスキャンを受けると言う正当な理由があった。なぜCTスキャンを受けたかは別の話として、Sクリニックを正当な理由で休める機会なんて滅多に無いのだ。なぜならSクリニックは断酒のクリニックであり、患者は“シアナマイド”と言う抗酒剤を毎日強制的に飲まされる。無理やり口に入れられる訳では無いが、理由なくそれを拒むことは出来ない。そして来院しなければ、家まで迎えに来るので、行かないわけにもいかない。つまり、月曜日から土曜日の6日間は必ずシアナマイドを服用することとなる。

 シアナマイドとは体質を“ゲコ”にする薬である。“ゲコ”とは酒を飲めない人の様(さま)で、酒を飲むと気持ち悪くなって吐いてしまう状況を言う。これでは気持ち良く酒を飲むことは出来ない。僕もシアナマイドを処方されて1年数ヶ月になるが、その間に“酒を飲んだことは無い”と言ったらウソになる。何度も何度も“酒を飲もう”と試みた。でも無理だった。絶対に気持ち悪くなって吐いてしまうのだ。

 何ヶ月か前にSクリニックの患者さんが「シアナマイドの効果時間は24時間」と言っているのを聞いた。僕は思った。“そんな事は無い”だって、シアナマイドの効果時間が24時間だとすると、Sクリニックが休みの日曜日の午後には普通に酒が飲めなくてはおかしいのだ。僕は何度もSクリニックが休みの日曜日に酒を飲んで吐いている。“絶対に24時間で切れるわけがない”そう思った。
 ただ今回、偶然にも土日2日連続でSクリニックを休める機会を得た。僕は思った“1.5倍の36時間でシアナマイドの効き目は切れる”のでは無いかと。。。今までは次の日Sクリニックに通院することを考えると日曜日の夜中に酒を飲むなんて無謀なことは考えなかった。ただ今回は違う、前の日の金曜日にSクリニックでシアナマイドを服用したのは午前10時だった。となると土曜日の午後10時には36時間が経過する。そして次の日は日曜日でSクリニックは休みである。これはシアナマイドの効果時間を実験するには好都合だと僕は思った。

 土曜日の日中に1.8リットルの焼酎のペットボトルを買ってきた。割物のジュースも買った。
 土曜日の午後10時。“よーし♪最後にシアナマイド飲んでから36時間経った~♪”と息巻いて酒を飲んだ。結果“飲めた!”酒を飲めたのだ!全然気持ち悪く無い、むしろ1年数ヶ月ぶりに味わう“酔った感じ”を実感できた。楽しかった。ネットで有吉弘行のお笑い番組を見ながら酒を飲みまくった。
 ただ問題は、その後のことを覚えていないと言うことだ。ハッっと目が覚めて、起きたら月曜日の13時30分だった。“ヤバい!”と思った。Sクリニックをサボっている。僕は即座にSクリニックに電話をして“寝坊した”と告げ、すぐにSクリニックに向かった。なんとかごまかせた。「昨日の夜友人と夜明かししてしまった」などとウソの理由を言っていた。
 家に帰って来て、その惨状に唖然とした。部屋中散らかっていて、1.8リットルの焼酎が空になっていた。土曜日の夜10時に1回だけ飲んだとは思えない。記憶が無いまま、月曜日の朝方まで飲んでいたのだろう。焼酎のボトルが空になったことをラッキーと思うしかなかった。もしも追加でコンビニに買いにでも言っていたら、月曜日の午後には明らかにSクリニックの家庭訪問を受けていただろう。ラッキーだった。本当にラッキーだった。なぜか今回はSクリニックに飲酒の事実がバレずに済んだ。

 12月11日土曜日、僕は気付いてしまった。“今日もSクリニックを休めば気持ち良く飲酒できる”と言うことを。そしてSクリニックの土曜日のプログラムの欠点にも気付いていた。土曜日はスタッフが1人しか居ないのだ。つまり、サボったとしても迎えには来れない。僕は決めた“今日はSクリニックをサボろう”と、そして“電話が掛かって来ても絶対に出ない”と心に決めた。今思えば、なぜそんなに酒が飲みたいのか分からない。でもこれが“アルコール依存症”と言うやつなのだろう。
 僕は12月11日土曜日も、夜10時から飲酒を始めた。気が付くと12月13日月曜日の朝だった。“楽勝だ!”そう思った。でも違かった。楽勝では無かった。むしろ惨敗だった。体が動かない。ガクガク震えて体が動かないのだ。また1.8リットルの焼酎が空になっていた。“無理だ”元気を装うのなんか無理だと思った。それでも僕はSクリニックに向かっていた。“もう無理だ”“もう無理だ”そう思いながら歩いた。Sクリニックに着いた。看護師さんが異常なものを見る目で僕を見ていた。僕は震えながら抗酒剤を受け取り飲んだ。今、思えばあの時、抗酒剤を受け取る手の震えで抗酒剤をこぼさなかったことが奇跡だった。“無理だ”と思った僕は、Sクリニックの裏口から家に帰って寝た。途中で帰ったりしたらバレる!ヤバい!でも、体の震えが治まらない。もう無理だった。次の日も震える体をごまかしながらSクリニックに行った。また裏口から出て帰った。

 正直言って、一連の飲酒による騒動をSクリニック側が気付いていないハズは無い。だって、夕方の点呼で居ないことはバレバレなのだ。ただ、なぜか誰も見なかったことにしてくれた様だ。

 “シアナマイドの効果時間は36時間”これは立証できた。
 ただ、アルコール依存症の脳は制御できない。このことを僕は確実に悟った。“酒を飲めれば良い”そんな生易しい話では無い。結果、具合悪くなってしまっては“気持ちよく飲めた”とは言えないのだ。アルコール依存症の基礎知識“一口でも酒を口にしたら終わり”は真実だった。記憶が無いものは制御できない。体がボロボロになるまで飲み続けるのだ。
 体がガタガタ震え、口もガタガタ震えて、“立っているのがやっと”そこまで体を悪くした。体調不良は木曜日まで続いた。一週間の半分をガタガタ震えながら過ごした。“もう嫌だ。酒なんて飲みたくない”そう思った。

 アルコール依存症の人間は普通に酒を飲むことは出来ない。



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